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Kanako's Message

「夢を忘れないで」

   みなさんはひとりひとりそれぞれ「夢」をお持ちだと思います。小さいお子さんなら「バスの運転になりたい」とか「看護婦さんになりたい」とか。大人の方なら、たとえば「大切な家族と楽しく一生暮らしたい」などなど...
   いまだに戦火の絶えない地域に住む人にとっては、「安心して外を歩ける平和」がきっとそれにあたることでしょう。

 私にとっては、これがチェロでした。
 8歳のときに当時すでに世界でもトップクラスのチェリストだったポ−ル・トルトーリエさんの演奏会で「フォーレの夢のあとに」という曲を聴いたとき、子供心に涙が出るほど感激したのを覚えています。
 当時はチェリストになろうとまでは思っていませんでしたが、自分が感動した「フォーレの夢のあとに」のような、子供が感激してくれるような素敵なチェロを弾けるようになりたい、という思いで今日まで来ました。
 実はあるとき体調を崩し、チェロを弾けなくなってしまった時期がありました。その当時の私は人生の遭難者のようなものでした。毎日ごはんを食べているだけ、ただ生きているだけの物体でした。
 それがいろんな紆余曲折があって、再びチェロが弾けるようになったとき、チェロは私の人生の灯台であることに気が付いたのです。私の小さい頃からの「夢」が、私に再び生きる希望を与えてくれました。夢があるだけで、例え今が困難な状況にあっても生きる希望が生まれることを知りました。
 「夢を忘れないでよかった」、それが今の私の素直な気持ちです。ポール・トルトーリエ先生をきっかけに10歳からはじめたチェロのおかげで、希望をとりもどすことができ、またチェロを通じて沢山のことを学び、沢山の人と出会うこともできました。
 それに何より嬉しいのは、私の演奏を聴いていただいた人から「チェロの音色っていいですね」「チェロって素敵なんですね」といっていただくことなんです。チェロの魅力が人の心に届いたとき、響いたときに私はとっても幸せを感じます。
KanakoTakehana これからもチェロを通じて自分が成長し、人と出会い、また人にチェロの魅力を伝える、というちょっと口幅ったいですが「チェロの伝道師」のようなものを目指していきたいとおもっています。
 世界的なチェリストといわれるパブロ・カザルスさんが世の中の平和と愛を願ってチェロを弾き続けたように、私もチェロを通じて、「世の中が平和でありますように、愛があふれていますように」と願いながらチェロを弾き続ようと思っています。そして、一人でも多くの方にとって、夢が人生の糧となることを、またささやかなことでも希望を持つことが、 
 明日を迎える原動力になることを心より願い続けています。

竹花加奈子



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